事業実施体制等

TOP事業実施体制等 > 実施計画

実施計画

平成28年度

目標

①認知的インタラクション解析:ヒトとイヌのインタラクション時における視線計測を確立する。さらにモーションキャプチャを用いたダイナミック連動解析により、インタラクションの連鎖を見出す。

②共進化遺伝子の同定:本学の遺伝子バンク内にあるイヌの遺伝関連疾患の中からその重要性から遺伝子解析を行う疾患を選び、候補疾患を決定する。また日本犬、オオカミ、一般犬の網羅的遺伝子シークエンスによる共進化に関わる認知遺伝子の候補を絞り込む。

③微生物クロストーク:ヒトの疫学的データで、ペットの飼育の有無の影響を明らかにする。

実施計画

①認知的インタラクション解析:インタラクション中のイヌの視線計測手法を、画像解析と位置測定から実施する。モーションキャプチャーを用いた微細行動を記録、ヒトとイヌのダイナミック連動解析を実施し、鍵となる動作を見出す。

②共進化遺伝子の同定:遺伝子バンク内(1万6,000検体)にあるイヌの遺伝関連疾患の中から解析可能なサンプル数のある遺伝関連疾患で重要な疾患を選択し、そのイヌの個別の情報を整理してサンプルとして用意する。また共進化に関わる認知遺伝子の候補としてオキシトシン、WBSCR17、MC2Rを中心に選抜し、多型部位を明らかにする。

③微生物クロストーク:東京都医学総合研究所との共同研究で3,300例のヒトの疫学的データをペットの飼育の有無にて解析を実施し、心身への効果を調べる。

【所要経費】50,000千円

平成29年度

目標

①認知的インタラクション解析:モーションキャプチャーを用いたダイナミック連動解析を飼い主と見知らぬ人で実施し、親和-認知応答の関係を調べる。

②共進化遺伝子の同定:疾患犬群と非疾患犬群のDNAについて網羅的なSNP(一塩基変異)解析を行なう。共進化の遺伝子に関してもSNP解析を含めた多型解析を実施する。

③微生物クロストーク:ヒト疫学的データと細菌叢の関連性をベイズ推定を用いて解析する。

実施計画

①認知的インタラクション解析:飼い主と見知らぬ人で、イヌとのコミュニケーションを実施し、モーションキャプチャーによるその場面のイヌとヒトのインタラクション因子を抽出し、親和性によって変化する認知因子を同定する。

②共進化遺伝子の同定:疾患犬群と非疾患犬群のDNAサンプルのSNP解析のため、犬用DNAチップを用いたゲノムワイド関連解析を行い、疾患群に認められるSNPを明らかにする。共進化に関わる認知関連遺伝子としてオキシトシン、WBSCR17、MC2Rを中心に日本犬ならびに洋犬を用いて多型の出現頻度を比較、認知能力との関連解析を実施する。

③微生物クロストーク:ヒトの疫学的データをペットの飼育の有無、さらには細菌叢の変化の解析と合わせて、ベイズの定理を用いた解析を実施し、微生物共生モデルを作成する。

【所要経費】50,000千円

平成30年度

目標

①認知的インタラクション解析:盲導犬協会との共同研究にて、トレーナーと訓練犬のインタラクション中の視線と訓練成績の関連を明らかにする。

②共進化遺伝子の同定:網羅的なSNP解析によるデータの中から、遺伝子疾患、共進化と関連する可能性ある遺伝子変異を解析し、候補遺伝子を絞り込む。

③微生物クロストーク:ヒトの疫学的データと細菌叢の変化の相互構造解析を実施し、有用菌を絞り込む。またイヌの細菌叢がもたらす生理学的影響を、マウスを用いて調べる。

実施計画

①認知的インタラクション解析:盲導犬協会との共同研究でトレーナーと訓練犬のインタラクションを上記モーションキャプチャーで明らかにした解析手法を用いて調べ、その訓練効率や盲導犬の適性の判断の科学的根拠を作成する。

②共進化遺伝子の同定:網羅的なSNP解析によって判ったSNPやそのSNPを含む遺伝子またはSNPの周辺における遺伝関連疾患と関係する可能性ある遺伝子解析を行い、実際の変異と遺伝関連疾患との関係を検討して候補遺伝子を明らかにする。共進化に関わる認知遺伝子に関しては日本犬を含む有用犬種を絞り、同一犬種内における行動実験との関連解析を実施し、その関連性のFalse Positiveを排除する。

③微生物クロストーク:疫学的データと細菌叢の構造解析により、心身の発達に最も説明係数の高い有用菌を選抜する。またイヌ唾液由来の細菌叢をマウスに投与し、オキシトシンの分泌が変化するか、さらには炎症や中枢機能が変化するかを、分子の発現動態を解析することで明らかにする。

【所要経費】50,000千円

平成31年度

目標

①認知的インタラクション解析:ヒトとイヌのインタラクション場面におけるオキシトシンの投与介入実験を実施し、認知インタラクションにおけるオキシトシンの機能を明らかにする。

②共進化遺伝子の同定:明らかになった候補遺伝子の変異が別の集団においても同様の変異が認められるか確認を行う。また培養細胞に同定した多型遺伝子を導入し、多型の遺伝子発現における機能を明らかにする。

③微生物クロストーク:有用菌の培養方法の確立と、その菌種がもたらす生理学的影響を、マウスを用いて調べる。

実施計画

①認知的インタラクション解析:認知インタラクション場面において、犬あるいはヒトにオキシトシンを経鼻投与し、外因性オキシトシンの上昇による認知機能の向上、ならびにインタラクションの持続変化を明らかにする。これまでオキシトシンの投与方法は本学で確立しており、問題はない。

②共進化遺伝子の同定:候補遺伝子変異について遺伝子バンクにある疾患集団とは異なる別の集団からDNA検体を採取して、候補遺伝子において同様の変異が認められるか解析を行う。共進化の認知遺伝子に関しては、内分泌と関連する遺伝子が多いことから、尿中のホルモン濃度を測定し、遺伝子型との相関解析を実施する。

③微生物クロストーク:イヌ唾液由来の細菌叢ならびに有用菌をマウスに投与し、オキシトシンの分泌が変化するか、それによる炎症分子の発現、炎症の改善効果、さらには成長後の社会性機能が変化するかを明らかにする。

【所要経費】50,000千円

平成32年度

目標

①認知的インタラクション解析:確立した認知インタラクションモデルを用いて、盲導犬の育成訓練に新たな手法を導入する。また自閉症児と犬のインタラクションがもたらす効果をオキシトシン測定により実施する。

②共進化遺伝子の同定:遺伝関連疾患に関係した候補となる遺伝子変異と実際の遺伝関連疾患との関連性の証明を行う。

③微生物クロストーク:有用菌の培養方法の確立と、その菌がもたらす分子の同定を目指す。

実施計画

①認知的インタラクション解析:盲導犬協会の訓練犬において、インタラクションモデルを適応し、ヒトとの関わり方、訓練時の視線注意度などを測定し、効率のよい訓練手法を導入する。また自閉症児と犬の関わりを解析し、さらにインタラクション後のオキシトシン測定、自閉症児の視線利用頻度、親御さんとの関わり方への変化、を調べる。

②共進化遺伝子の同定:候補となる遺伝子変異と同様のマウスモデルをCRISPR-Cas9 手法を用いて作成し、遺伝子変異のもたらす影響の実証研究を行い、原因遺伝子として同定する。また共生の認知遺伝子に関しても、培養細胞発現系あるいはマウスモデルの作出を試み、機能実証に挑む。

③微生物クロストーク:有用菌の培養方法を確立し、マウスモデルを用いて質量分析と合わせて有用物質を絞り込む。候補有用物質をマウスに投与し、効果の検証を行い、有用物質を同定する。

【所要経費】50,000千円

↑TOPへ戻る